「「おめでとうー!!!」」
翌日。いつも通りに学校へ行き教室に入った時だった。
なっちゃん、樹英、雅ちゃんの3人があたしを祝福してくれている。
けど、一体なんのこと…?
ぽかーんと口が開いたままのあたしに樹英が嬉しそうに駆け寄ってくる。
「侑京くん! おめでとう!」
「……えっ、えぇ!? なんで知って…?」
あたしは直接みんなに報告しようと思ってたから、昨日は何も言えなかったって嘘をついておいた。
のに――。
「だ、誰から聞いたの…?」
驚くあたしに雅ちゃんがフフンと得意気に言う。
「まーくんから聞いた〜」
まーくん――…。 侑京と仲が良い三原将貴くんだよね。
そっか、部活一緒だから聞いたのかな。
だけど、昨日のLINEでもみんな何も聞いてこなかったのに…。
そう思うと3人の心遣いがとても嬉しくて泣きそうになった。
「うっ…あり、がとぉ……!」
「泣くな〜! 凌ちゃん良かったね!」
「なっちゃん…ありがとう……!」
「へへ…ぐわっ!」
勢い良くなっちゃんに抱き着くと呻き声をあげられたけど、気にならないくらい嬉しい。
「凌ちゃんと侑京くんお似合いだもんね!」
そう言って本当に嬉しそうに微笑む樹英。
その笑顔に癒されながら「ありがとぉ…!」と、また涙目になってしまう。
「ここで泣くとみんな心配するからー!」
そう言いながらもあたしをギュッと抱き締めてくれる樹英が本当に大好き。
「これも全部雅のおかげ?」
ニヤニヤしながらあたしに問いかけてくるけど、本当にその通りで…。
普段なら少しは言い返すとこだけど、今回ばかりは頭が上がらない。
「うん、そうだね…。 雅ちゃんが優奈に頼んでくれたからだよ。ありがとう!」
「ふふっ。どういたしまして! 凌ちゃん、おめでとう」
「…ありがと、雅ちゃん。」
あたしはそれぞれに心を込めてお礼を言った。
友達にも恵まれてるあたしって、いつかバチが当たっちゃいそうだよね…。
昨日から幸せすぎて怖いくらい。
3人を笑顔で見ていると、急に顔付きが変わったなっちゃんがあたしに詰め寄って来る。
「さてさて――。昨日はいったいどう言う事があったのかな…?」
笑顔でそう聞いてくるなっちゃんの言いたい事が分かってしまうから恐ろしい。