それが君の願いなら。



2人で話して決めた次の休み時間、2年の教室に雅ちゃんは1人で行ってくれた。


あたしも行くって言ったんだけど、周りの目を惹いちゃうから来るなと断られてしまった。


だから今はなっちゃんと樹英の3人で教室に待機中。


……雅ちゃん、大丈夫かなぁ。


でも、優奈だって相手が雅ちゃんだから、そうそう断ったりはしないと思うんだけど。


あたしだったら迷わず断られてしまいそう。


2人も面識がないわけじゃないし、仲悪いわけでも仲良いわけでもない。


そんな相手に、しかも先輩相手に断ったりできないよね…。


ソワソワしながら雅ちゃんの帰りを待つ。


「――あ、帰って来た」


樹英の言葉に教室の窓から顔を出す。


スタスタと歩いてくる雅ちゃんを前に待ちきれず「どうだったー?」と叫んでしまう。


教室に入って来るなりあたしの机の前まで来ると、「昼休み。研修棟の階段ところに行って」と言われた。


それは優奈が頼みを聞いたくれたと言う証拠で。


あたしは安堵の笑みを漏らす。


「ありがとう、雅ちゃん」


お礼を言うあたしに、


「それは告白の返事を貰ってからにして?」


と意地悪い笑みを浮かべられた。


……今日の昼休み。 研修棟の階段のとこ。


あたしはバクバクする心臓を必死に抑えた。


今から始まる授業は4限目。


これが終わればあっという間に昼休みだ。


早鐘を打つあたしの心臓は鎮まりそうにもない。


小さく深呼吸をしたあと、何もなかったかのように次の授業の準備をした。


普段通り、普段通り……。


そう自分に言い聞かせる。 だって、そうでもしないと顔に出てしまう。


侑京くんを前に、なんて言えばいいのかな。


シンプルに『好きです、付き合ってください』とか?


……他の言い方なんて思いつかないし。


それとも、あの時から好きでした、とか?


どっちにしたって、『好き』だと伝えなきゃいけないわけで。


あたしの想いが伝わればいい。 それだけでいい。


――そう思うのに、どうしてこんなに心臓が痛いのかな…。


あたしは自分の気持ちに蓋をして、昼休みになるのを待った。