それが君の願いなら。



雅ちゃんは固まったままで。


「大丈夫?」


そう声をかければ、ハッとしたあと、


「話飛び過ぎ! バカ!」


って怒られちゃうし…。


なんなんだ2人して。 あたしそこまでバカじゃないよ?


バカに代わりもないんだけど…。


ムスッとした顔のあたしに落ち着いたらしいなっちゃんが言った。


「いつ告るの? 今日?」


あー何も考えてなかった…。


「分かんない。どうしよう…」


あたしの言葉に2人は顔を見合わせ、他の友達のとこにいる樹英を呼んだ。


「はいはーい? どうしたの?」


不思議そうな顔をしてあたし達の方に来る樹英に、雅ちゃんが言い放った。


「このバカが侑京くんに告るんだってさー」


「なっ! バカって…!」


「ふ〜ん…」


聞き捨てならない! そう思っていたあたしの言葉は樹英の声でかき消される。


「告は…くぅぅううううう!?!?」


「「「うるさいっ!」」」


もう! みんなしてなんか失礼!


「あたしだって言う時は言うもん!」


怒るあたしに雅ちゃんは「いや、そこは問題じゃない」なんて突っ込んだ。


「まずハッキリしなきゃいけない事があるでしょ!」


なっちゃんの言葉にあたしは疑問符を浮かべるばかり。


「はぁー…。 いつ言うのかちゃんと決めないと、呼び出しも出来ないでしょーが!」


「……あぁ!」


なっちゃんに言われてハッとするけど、別に今日じゃなくても。


そう思うけど、これって逃げになるのかな…。


「で、どうする? 今日の放課後にする?」


雅ちゃんに言われてあたしと樹英は目を輝かせた。


「なんかドキドキするね!」
「漫画とかにありそう!」


2人でキャッキャッしていると、


「凌ちゃんのドキドキと樹英里のドキドキはどう考えても意味が違うから!」


と言って怒られる始末。


いや、まぁ、確かにそうなんだけど。


「でも、前は急げって言うし、今日のお昼にでも言おうかな…」


あたしの言葉に今度は3人が目を輝かせた。


そして口を揃えて言う。


「「「頑張れ!!」」」


あたしは今日、大好きな人に想いを伝える…。