それが君の願いなら。



そりゃあ侑菜も1人で来るよりは樹英と来た方がいいよね。


そう思いながらあたし達2人は早々とトイレを済ませ下駄箱で2人を待つ。


外に出ると満開だった桜の花がいつの間にか散り始めていることに気付いた。


「もう4月も終わり、かぁ…」


そう呟いたあたしを見てなっちゃんは笑う。


「どうしたの凌ちゃん。黄昏てんの?」


「黄昏て…る、のかなぁ?」


首を傾げるあたしを見てなっちゃんは言った。


「4月は来るって言うもんね」


来る?何が? そう言葉にする前に樹英に名前を呼ばれ、何も言えなかった。


歩き出したあたし達4人はこれからの予定を考える。


「さて、どうする?」


樹英の言葉にあたしはいつものファミマに1票。 なっちゃんは近くのCDショップ。侑菜は本屋に1票入れた。


「ふっ、相変わらずバラバラ」


「ねー。樹英はどこでもいいけど、どうしよっか?」


樹英と笑いながら、結局全部行くことよねって2人に問いかける。


「でもファミレスは最後ね!遅くなるし!」


侑菜の言葉に3人で頷く。


あたし達4人は幼なじみであり親友。みんな同じクラスになったことはないし、毎日このメンバーで遊んだり帰ったりしてふわけでもないけど、時間が合えば4人でいる。


自然と集まって、次の予定を立てたりしてる。


意見が2対2とか3対1になっちゃうこともたまにあるけど、喧嘩はしない。


だって、解り合えてるから。