いつもと何も変わらない今日。
変わったことと言えば、あたしが高校2年生になった事くらい。他は何も変わらない。
学校が変わるわけでもなく、先生が面白くなるわけでもない。
そんな平凡な毎日を生きてるあたし。
特にコレと言った楽しみがあるわけでもないし…。
あ、でも、日課はちゃんとある。放課後に毎日空を見上げること。理由なんてないけど、気付けば毎日のように見上げてる。
こうやって毎日ボーッとしてるから…。
「梅原(うめはら)、この漢字読めるか?」
…なんて現文の先生に当てられてしまう始末。
「…問1は温故知新。問2は花鳥風月。」
「はい正解。流石梅原だな!」
だって漢字得意だし。文系は特に…って言っても、他は全くダメだけど。
溜め息をひとつ付き、再び視線を窓の外へと移した。
早く終わんないかな。……まだ後13分もあるじゃん。長い。無理。
「……最悪」
そう呟いた途端誰かに背中を叩かれ、後ろを振り向く。
「梅原さん、これ回ってきたよ」
「ん、ありがとう。誰から?」
「樹英里(じゅえり)ちゃんから」
「ん、おっけ」
そう言って受け取った手紙は、幼なじみであり親友の1人である安岡 樹英里(やすおか じゅえり)から。