「凛月。お前は斬るな。」

何を言っているの?

だって武市先生に……

「俺がやるからお前は何もしなくていい。人を斬るのは簡単なことじゃない。」


そう告げた兄さまの顔は泣いているようにも見えた。


「にい、さま?」

「標的はあいつだ。どこかに隠れてろ。」


旅籠から出てきた標的の男。

兄様は背後をとってきりつける。

だけどその兄様の後ろを取られかけてた。

「いーくん、危ないっ!」

ザシュッ

「くっ、女、だと?!」

そう言い残して屍と化した肉塊。

「凛月。ごめんな。お前に斬らせてしまった。」

「イイのです。私は兄様をお守りするために頑張ったのですから」