「女?惜しい?どうして?」
「お前が男なら今以上に強い。故に敵に回せば厄介だ。知ってたよ。俺。」
そうじ?
「この浅葱色の羽織何か知ってるんじゃないのか?」
ずっと知らないふりしてた。
そうじが新撰組だって。
沖田、総司だって。
「いつからっ?どうしてっ?」
「少し前、岡田以蔵と歩くお前を見た。あとを追った時にはもういなかった。その時、お前がひとりでいたところを見た。」
あぁ。兄さまが初めて任務へ就いたときだ。
〝強くなりたい。強くなれば兄さまと……〟
〝泣いてんの?〟
〝え?貴方は?だれ?〟
〝俺、そうじ。〟
〝強くなりたいのか?だったら毎朝ここに来いよ。待っててやる。〟
これが、二年前。
「もうあの時よりずっと強くなったさ。凛は。」
「ありがとう」
「俺が教えることはもう何も無い。稽古ももう終わりだ。帰りな。」
「本当に、ありがとう。そうじにおしえてもらってよかった。これで兄さまと並ぶことが出来るっまた、ね」
その日がそうじと交わった日。
私たちの別れの日。
そして私の攘夷の始まり。