「以蔵!お前も23さいなんだから大人の話に参加しなさい」

親戚の、確かおかあさんの妹の旦那さんの夏樹さん。

「そんな必要はありません。」

「何を言う。早く来なさい」

「いえ、必要ありません。この子は俺が引き取る」

その言葉に誰もが驚いた。

否、反対すれば自分が面倒を見なければならなくなるため、誰も何も言えないのだ。

「文句あんの?だから遺産も俺の。わかった?」

「な、何を言うっ!」

「面倒を見れねえのに遺産だけ取ろうっての?」

そう言うと黙る夏樹さん。

「じゃ、そゆことで。俺、今日からこの家で住むから。よろしくね。凛月。」

以蔵さんと同じ名前。同じ声。

きっと、いや絶対に私は岡田以蔵を知っている。

「以蔵、さん。よろしくお願いします……」