「凛月。ですね?」
間違いない。
この声色、大きな瞳。
女の子みたいな顔。
「そ、じ。」
「生きていたんですね。岡田以蔵が捕まったのでてっきり…」
あぁ。現実を見せないで。
どうして、正しいことをしているのに叩かれるの?
悪い奴を殺していることの何が悪い?
〝どんな悪人にも人の繋がりがあります。人を殺すということはその繋がりを断つことなのです。悲しむ人間がいるのですよ。それを忘れてはいけません。〟
武市先生。そうだったね。
あの時は何のことかわからなかったけど今ならわかる。でもね。
「どうして?全部貴方達が悪いのに…どうして、以蔵さんを奪うの?どうして?あんたたち何様なのよ?!以蔵さんが何をしたっていうんだよ!返せよっ!返せよおおおおっ!」
「凛。それは、できないんだ。ごめん。」
「なんなのよっ、なんで以蔵さんが死ななきゃいけないんだよっ」
以蔵さんを最期まで守れなかった私もまた貴方達と同じ。
「凛。ダメだよそんなに声だしちゃ。役人達が来ちまうよ。」
「だったら…私を以蔵さんのいるところへ連れてって。」
「それはできないよ。」
わかってるよ、わかってるけど。
どんな形でも以蔵さんのそばにいたい。
それが例え死体でも。
「とらわれたっていい。私を逮捕しないと以蔵さんのところへいけないなら今すぐ逮捕して」
どんな目にあっても、あなたのそばにいたくて---