夜- 「以蔵っ凛っ今夜ここを発つ!急いで支度をしろ!荷物は最小限!刀を忘れるなっ」 こんなに焦った武市先生は初めてだ。 それだけ切羽詰まっているのいうことだろう。 来島殿が動き出したということか。 その混乱に乗じてここを発つということか。 「残念だな。凛月急げよ。」 私たちは急いで準備をした。 カタン… これは以蔵さんが買ってくれた簪。 そっと懐へ忍ばせた。 その様子を見て頬を綻ばせている以蔵がいたことに気づかずに。