「へい、お待ちしました。」

目の前に置かれたのはお皿の中に入っている丸いもの。

「月のようです。これがお団子なのですね」


「早く食わねーと俺が食っちまう」

だ、ダメですっ初めてのお団子なのにっ

私は早急に団子に手をつけた。




「ふう〜食った食った〜」

「だろうな」

結局8本食べました。

福太郎やりょうくんにも買って帰ろうということで18本は頼みました。

それにしてと団子とは絶品でした。

世の中にあんなものがあったとは……

「団子でそんだけ喜んでくれたら嬉しい」

「以蔵さん、ありがとうっ」

本当に嬉しかったから以蔵さんに笑顔を送った。

「ちょっ、ダメじゃん」

「え、なーー」

なんで?と尋ねる前に。

ギュッ

「俺、やっぱりお前のこと好きだわ」

迷うことなく私を射抜く瞳。
漆黒の髪。切れ長の瞳。
不覚にもときめいてしまった。

「い、以蔵、さ、」

「お前も俺のこと好きだろ?」

以蔵さん、俺様過ぎますよっ

「はいっ、お慕い、しておりますっ以蔵さんに拾われたあの日からっ」

ギュッ

「帰るぞ。」

これは以蔵さんなりの照れ隠し。


だって、その証拠に左手は繋がっている。

神様。以蔵さんを私から奪わないでください。

こんな些細な幸せを過ごすことさえ貴方は赦してはくれないのですか?