「第7部隊中隊長クリス・ヴァンガードです」


優しい雰囲気を出す魔女が、やんわりとした笑顔でクリスを迎える。


「クリス様ですね。お話は伺っております。どうぞ龍の間へ」


「ども」


許可を貰うと、クリスは受付から指定された部屋へと進んだ。


「クリスっ!」


教会のエントランスに、クリスに向かって駆けてくる足音と、後ろから声がしたので振り返る。


すると、いきなり大きな胸に抱きつかれた。


「クレア姉さん…離して…」


クレア・ヴァンガード。


クリスの姉で“零氷の魔女”の名を持つ、魔女の中で最高位“十天魔女”の称号を持つ者の一人だ。


少し露出の多い服の為、傍から見ればただのセクシーお姉さんだが、これでも一流の魔女だった。


「いいじゃない?姉は弟に会うと嬉しくてたまらないのっ!」


しっかり抱きつく姉の腕を必死にほどこうとするが、なかなかとれない。


「だからって…公衆の面前で…抱き…つくな…」


周りで魔女が姉弟の一部始終を見てる中、クリスは必死に抵抗して声を上げたが、姉の胸はなかなか放れなかった。