太刀を浴びたクリスに、肩から腰にかけて傷が残る。


斬られた痛みで、クリスの意識が朦朧となる。


『ア…リス…?』


まさか本当に斬られるとは思っていたクリスの脳裏に、裏切られたかもしれないと言う疑念がよぎる。


すると心の奥から黒い衝動が湧いて来た。


『アアアアァァァッ!!!!!!』


苦痛の叫びを上げる。


同時に傷口から黒い障気が流れ出た。


『……ッッッ!!!!!!』


あまりの痛さに身体を丸める。


『…………アアァァッ!!!』



最後に爆発したかのように身体から一度に大きな障気が出た。


全てが身体から出ると、力も無く崩れかかる。


するとアリスが優しく抱き留めてくれた。


『…苦しかったね?
 もう大丈夫だよ?』


そう言ってギュッとしてくれたアリスが暖かくて、暖かくて…クリスは涙を流して、ギュッと抱きしめ返した。