ルグラン帝国帝都シンディスタン。


都の中心に建つ城に、空軍戦艦2隻が定着している。


城の内部には多くの兵が倒れ、それは一つの発着ベイから謁見の間まで続いていた。


謁見の間は立入禁止の札が下げられていたが、中には男が3人立っている。


その男達は、瓦礫の中から立ち上がる男に膝をついて忠誠を示した。


『ジェン…よくやった
 ヴァンガードが来たぞ』


瓦礫の中に居たのは皇帝だった。


『どうでしたか?陛下』


聖蓮祭で殺戮を行った将軍が口を開く。


『闇は目覚めた…
 後は魂の目覚めを待つのみ』


皇帝が歪んだ笑みを浮かべる。


『…ルイ!!!ダーム!!!』


『ハッ』


『北の共和国を落とせ
 魔女が居たら捕えよ
 生贄にし闇系譜を得る』


『ハッ!!!』


2人の男は背を向け、勅命を実行すべく歩き始めた。それを見て再び皇帝が笑う。


『ヴァンガードよ
 我が軍と北で闘い闇を得よ…
 そして堕ちよ…
 そうすれば我が闇の血族の
 悲願が達成するのだ!!!』