「“古十戒<エンシェント・コマンドメンツ>”雷王の一閃<ライトニング・ノヴァ>」


アルの言葉をカギとして、紫雷が結界捉えたが、結界は雷鳴だけでなく、その一撃ですらも掻き消した。


「“無限の槍戟”」


空間からレオンの解き放った無数の槍が空中に姿を現す。


「閃ッ!!」


レオンが両腕を前に振る。同時に数多の槍が風を貫き、結界を捉える。


「無駄だ。貴様らの力では闇系譜は、破れはせぬ」


皇帝は地に刺さる剣を抜き、大きく振りかぶった。


「散れ」


黒剣から繰り出される剣撃が大気を切り裂く。その一撃は巨大で、一振りでレオン達を捕らえた。


「絶!」


シュバルツが前に飛び出し、防御壁を展開する。しかしそれは虚しく砕け散った。


「うわあああああっ!」


割れた障壁がクリスタルの様に煌めく中、シュバルツが倒れ込む。


「シュバルツ!みんな!」


結界の中、クリスが叫ぶ。足元は既に闇に呑まれ、最早身動きが取れない。


目の前で仲間が傷付く光景に、クリスはただ黙って見ているしか出来なかった。