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「この2名か…うむ。釈放しよう」


パチンと皇帝が指を鳴らすと、手を鎖に縛られてボロボロになった魔女2人が、兵士に引きずられてきた。


2人は乱暴に兵士に投げられ、クリスの前に転がった。


「うっ…」


「あ…う…」


2人は衰弱していて、声もか細くなっていた。クリスはしゃがんでシンディアを抱き起こす。アルはラナを抱き起こした。


「シンディ…ごめん。遅くなった」


弱ったシンディアをしっかり抱きしめながら言葉を漏らす。


「ありがと…いいんだよ…」


弱々しくも微笑んでクリスに優しく声をかける。


「ラナもよく頑張りましたね」


「えへへ…」


アルもまだ幼さの残るラナの頭を撫でながら優しく話しかける。ラナも強がるように振舞った。


それを横目に見てレオンは再び交渉に戻る。


「有難う御座います陛下。ではもう一つ…」


「魔女狩りか」


「…はっ」


レオンの言葉を皇帝が遮る。皇帝は面白そうに笑みを浮かべながら続けた。


「それは出来ぬ」


「…何故です?」


言葉からレオンの苛立ちが見えた。どうやら皇帝の態度が気に食わないようだ。