リベリアの花びらが一枚、水面に身を寄せる。


同時にクリスから花びらと同じ、淡くて暖かい、橙色の波動が広がった。


『黄昏の波動…』


アーシェはその暖かな光を纏う男を真っ直ぐ見つめる。


まだ眼を閉ざす黄昏の剣聖は、その暖かい波動で静かに水面を波立たせる。


リベリアの花びらはそれに吸い寄せられるかの様に一枚、また一枚と着水した。