静かなままのニルヴァーナに外部通信からの受信音が響く。


服操縦席でそれをレオンが受けると、“水晶の魔女”ウィンリイ・ハーネスの声が聞こえた。


『レオン、聞こえる?
 帝国空軍艦隊が中央大陸に
 向かっています
 ただちに防衛戦線に加わり
 それを死守してください』


『前に落とされた
 エスヴィアからですか?』


計器を確認しながら質問する。


『恐らくは、ね
 敵艦隊は6隻確認
 連合軍は4隻の戦艦と
 2台の対空砲を用意してます』


『了解』


ウィンリイからの連絡を切り、一度後ろを振り返る。


しかし、そこには彼の求める人間が、いつものしかめっ面をした男が立っていなかった。


しっかりしろ、今は俺がリーダーだ。そう言い聞かせ、背を向ける。


『中央大陸東海岸に向かう
 帝国艦隊を止めるぞ』


レオンが指令を伝える。


『クリスの分まで暴れてやらぁ』


ロックが意気込む。


シュバルツとアルが頷く。


『だな』


3人には心配はなさそうだ。


ただ、アリス・グレイシアだけが…