女王の指示に、ウィンリイが左耳に付けたイヤホンマイクで通信部に連絡を入れる。


『…リノア、すまない』


その隣でジェイナが大きな魔法帽を取り、胸にあてて謝る。アスカもそれに倣い、ゴメンナサイ、と呟いた。


『…大丈夫
 貴女達のせいじゃないもの』


ぎこちない作り笑い。


見ているジェイナとアスカが逆に胸が苦しくなる。


『手配は済んだわ』


ウィンリイはルーシャに呼び掛ける。


ルーシャは頷いてから、3人の十天に顔を向けた。


『…アスカ、ジェイナ、リノア
 貴女達は一時休暇を』


『な…何言ってるんだい!
 今、私達が休んでたら…』


『戦局は変わるのですか?
 今の乱れた心のままで?』


『…!』


ジェイナが言葉につまる。


『魔力が強くても
 心に迷いが在るのならば
 その強さは“まやかし”
 今、そんな状況で戦場に送れば
 どうなるかは予想できますよ』


『ルーシャ…』


アスカが背を向ける女王を見る。


『心が何かを決めた時
 …戻ってきなさい』


そう言い残して、ルーシャは一人、着陸ベイを後にした。