「クリス!」
部屋を出たばかりの廊下でリノアが追って来た。
「姉さん?」
立ち止まると、息を切らしたリノアが追いついた。顔を上げた姉の不安が表情から伝わってきた。
「ごめんね、クリス。いつも重い依頼ばかり…」
手を強く握りしめ、震えた声で話すリノア。
その言葉が心からの物だというのがハッキリとわかる。
そんな姉の、今にも泣きそうな姿が少し愛おしかった。クリスはリノアの長くて綺麗な髪に触れ、頭を撫でた。
「俺はオーダーだ。姉さん達を守る義務がある。義務は果たさないと…な?」
優しい言葉に安心したのか、リノアは顔をあげて弟を見た。だが、まだ瞳には不安の色が濃く写っていた。
「…どうか無事で」
「…うん。姉さんも」
そう言って姉を残し、教会を出るクリスの目の前には王室宮殿クリスタルパレスが見えた。
国の優雅さを表すような美しさで、多くの国民が憧れている宮殿だが、重い話の後に見たその眩しさは、クリスにの心に暗い影を落とすだけだった。
部屋を出たばかりの廊下でリノアが追って来た。
「姉さん?」
立ち止まると、息を切らしたリノアが追いついた。顔を上げた姉の不安が表情から伝わってきた。
「ごめんね、クリス。いつも重い依頼ばかり…」
手を強く握りしめ、震えた声で話すリノア。
その言葉が心からの物だというのがハッキリとわかる。
そんな姉の、今にも泣きそうな姿が少し愛おしかった。クリスはリノアの長くて綺麗な髪に触れ、頭を撫でた。
「俺はオーダーだ。姉さん達を守る義務がある。義務は果たさないと…な?」
優しい言葉に安心したのか、リノアは顔をあげて弟を見た。だが、まだ瞳には不安の色が濃く写っていた。
「…どうか無事で」
「…うん。姉さんも」
そう言って姉を残し、教会を出るクリスの目の前には王室宮殿クリスタルパレスが見えた。
国の優雅さを表すような美しさで、多くの国民が憧れている宮殿だが、重い話の後に見たその眩しさは、クリスにの心に暗い影を落とすだけだった。

