グラウンドの横まで来ると、斎藤くんが止まった。



「じゃあ、ここまでな。」



「うん、またね!」



「…あのさ、俺のこと、理央でいいよ。
俺もこれから柚乃って呼ぶから!じゃあな!」



斎藤くん…理央くんはそう言って、
ちょっと恥ずかしそうにしながら部活に戻った。



理央くんと仲良くなるなんて思ってなかったな〜



なんていうか、理央くんは目立たない私に比べて、みんなを引っ張る中心的存在だから、

なんだか住む世界が違う気がしてた。



理央くんだって王子とまではいかないけど、
学年で1番の人気者だし…



まあ、あんなに優しくて素敵な笑顔をするんだから、人気になるのも必然的な気もするなあ。



でも、仲良くなれて嬉しいな…!