「沙耶ちゃん!私決めたの!」



「どうしたの、こんな朝から突然。
それより今日はこれから文化祭の出し物決めでしょー?」



大翔先輩と帰った次の日の朝、

沙耶ちゃんが登校してすぐに、私は沙耶ちゃんの席に行き決意を表したもののスルーされた。



「沙耶ちゃん、それよりちょっと大事なの!」



「どうしたのよ?」



「私ね!大翔先輩に宣戦布告するの!」



目をパチパチさせる沙耶ちゃん。
うん、そりゃあ、そうなっちゃうよね!



「ごめん、よくわからない」



「えっと、恋の宣戦布告って言うのかな?」



「…恋!?も、もしかして柚乃、
王子のこと…」



そこまで言って口を閉ざした沙耶ちゃんに笑顔で頷いて見せると、

ため息をつかれてしまった。



「ねぇ、柚乃。きっと大変だよ?
王子に恋したこと自体が大変だけど、
女の逆恨みとか、大丈夫なの?覚悟してる?」



沙耶ちゃんは決して応援してないわけじゃない。



ただ、心配してくれてるんだ。私のことを。