教室に戻ると、大翔先輩は私のカバンを持って、自分の肩にかけた。
「え、あの…」
「帰ろっか」
私に“自分で持ちます”なんて言わせないかのように笑顔で言われて、言葉を詰まらせる。
教室を出ても、
校舎を出ても、
校門を出ても、
握られた手は離されることはなくて…
私の歩幅に合わせてくれて…。
「もう平気?」
少し歩いたところで大翔先輩が私のことを見ながらそう聞いた。
…試してみよう。
この前買った少女漫画に、
“3秒間だけ目を合わせれば恋かどうか気づく”
というセリフがあったんだ。
いち……
「……」
「……」
に……
「……」
「……?」
さん…
「…っ」
「どうした?気分悪い?」


