「苦手なもの、入ってました?」



図星だ、とでも言いたげな表情をする先輩。
うーん、なんだろう。

……野菜、っぽいけど…



「にんじん?」



そう言うと先輩はため息をついた。



「笑わないでね…。
俺、にんじん苦手なんだ」



もはや嫌うとかのレベルじゃない。



かわいすぎる…!!



「先輩にも苦手なものはあるんですね…」



「俺だって人間だからね、
1つくらいはあるよ。」



「ダメだったら食べなくていいですよ?」



「ううん、食べる。
せっかく作ってきてくれたんだし、全部食べたいからね」



そう言って先輩は一旦リビングに向かった。