家に着いてすぐ、携帯に着信が入った。



ディスプレイを確認すると、夏帆からで、
でもなんだか不安なことはなくて

普通に通話ボタンをタップ出来た。



『勘違いさせて、受験勉強の妨げになってたらごめんなさい』



「いや、大丈夫だよ。」



『柚乃ちゃん、聞く限り良い子だし強い子だし、今度普通に会ってみたいの。
もし彼女が平気だったら伝えておいて?』



「分かった、ちゃんと伝えておくよ」



きっと柚乃ちゃんも、会いたいって言うだろうしね。



『大翔、さっきも言ったけど、
幸せになってね。』



「ありがとう。夏帆もね。」



『ありがとう。
それじゃあ、柚乃ちゃんによろしくね』



プツリと通話は切れて、携帯をベッドへ放り投げる。

椅子に座ってネクタイを緩めて、
…よし、勉強しよう。



なんだか心が、すごくすっきりしてるよ。