「ね、いい?」



許して欲しいって気持ちはある。

でも、恥ずかしいって気持ちも負けてない。



「恥ずかしい?」



「は、はい…」



「じゃあ、許さない」



「えっ!それは嫌です!!」



「はい、どーぞ」



そう言って先輩は屈んで、
私の身長に合わせてくれたと思ったら

目の前には先輩のどアップ。



も、もしかして…私から!?



「……」



「……」



先輩の綺麗な顔が、すぐそこにある。

……たぶん先輩は、引かない。



意を決して、少し背伸びをして
先輩の服の袖をちょっと掴む。

周りに人が1人もいないことを確認して、

ちゅっと、触れるだけのキスをした。



初めての、先輩とのキスは

ただただ恥ずかしくて、

でもちょっぴり、幸せな気分になれた。