先輩が私のこと、
あんな風に思ってくれてたことの嬉しさと

それからさっき夢で見た、あまり思い出したくない過去。



それが同時に来て、
何も考えられなくなった。



泣きたくないのに涙はボロボロと止まらない。



先輩に、泣いてすみませんって言おうとしたら、
ぎゅっと優しく抱きしめられた。



「せ、先輩…？」



「いろいろと怖かったよね。ごめんね。
でも泣いてるのってさ…それだけが理由じゃないよね？」



先輩の表情は見えないけど、
なんとなく想像がつくよ。



きっと、悲しそうな表情ですよね。

私のために、そんな表情をしてくれてるんですよね…？



「話…っ、聞いてもらっていいですか？」



「もちろんだよ、ゆっくりでいいからね」



いうことを少し躊躇ったけど、
きっと先輩なら大丈夫。

すぅ…と深呼吸をして、話し始めた。