「…大翔」
ふと、女の人の綺麗な声が聞こえた。
なんだかすごく、嫌な感じがする。
冷や汗が出てくる。
恐る恐る声のした方を見ると、
綺麗な女の人が立っていた。
「…どうかしたの?桃華。」
大翔先輩の言葉にドキッとした。
この人が、大澤 桃華さん…。
姿を見るのは、初めて。
こんなに…綺麗な人だったなんて……。
「その子と仲良いの?」
そう言って、桃華先輩は私の方を見る。
その目はすごく冷たくて、怖くて、
すぐに視線を逸らしてしまった。
「俺が一方的に話しかけてるだけだよ。」
「その割には文化祭のとき、
やけに親しそうだったけど」
「そうだね、俺のせいで悲しませちゃったみたいだったから謝りたかったんだ」
先輩の声はいつも通りで、
表情もいつも通りな気がした。


