耳元にはなんだか暖かい温もり。
後ろを振り返ると、
大翔先輩が悲しそうな笑顔で私の耳を塞いでくれていた。
桃華先輩たちがいなくなったのか、
先輩の手はゆっくり離れて、力なく落ちる。
学校でこうやって会うのは、久しぶりだ。
だけど、こんな私見てほしくなかった。
泣きそうになってる、私なんて。
「柚乃ちゃん……俺のせいで、ごめん」
苦しそうなその声は微かに震えていて、
きっと先輩のことだから、自分は私のために何もしてあげられてないだとか思ってるんだろうな…。
たくさん、幸せ貰ってるのに。
だからニコッと笑ってみせた。
「私は大翔先輩に、
ありがとうしかないですよ。」
そう言うと、大翔先輩は目を見開いた。


