あいつとは“少女”の事だ。
原田の隣を少し機嫌が悪そうに藤堂は通り過ぎ、その歩幅に合わせて原田も歩き始めた。
「……どうするつもりなんだろうな、土方さん達」
かれこれ二週間の間、ただ必要最低限の生活を監視付きで過ごす少女には、誰でも心配になる。
それは少女の精神面を考えてもそうだが、このような事を長くは続けられないという先を見据えての事でもあった。
「わかんない。けど、あいつが何も喋んないから、何が正しいのかわかんないんだよ」
「そう言えばさっき聞いたんだけどよ、前に土方さんと総司が新撰組に勧誘したんだと」
思い出したように原田がポツりとこぼした時、ちょうど二人は勝手場へたどり着いた。
茶碗や箸やらを洗い出した藤堂の後ろの石で出来た段に原田は腰掛けて、意外そうに首を傾げる。
「驚かないんだな。平助なら「まじかよ⁉︎」とか「何でそんな大事な事黙ってたんだよ⁉︎」とか言いそうなのにな」
原田は藤堂を小馬鹿にして笑う。
「左之さん俺の事馬鹿にしてんのか……」
原田の隣を少し機嫌が悪そうに藤堂は通り過ぎ、その歩幅に合わせて原田も歩き始めた。
「……どうするつもりなんだろうな、土方さん達」
かれこれ二週間の間、ただ必要最低限の生活を監視付きで過ごす少女には、誰でも心配になる。
それは少女の精神面を考えてもそうだが、このような事を長くは続けられないという先を見据えての事でもあった。
「わかんない。けど、あいつが何も喋んないから、何が正しいのかわかんないんだよ」
「そう言えばさっき聞いたんだけどよ、前に土方さんと総司が新撰組に勧誘したんだと」
思い出したように原田がポツりとこぼした時、ちょうど二人は勝手場へたどり着いた。
茶碗や箸やらを洗い出した藤堂の後ろの石で出来た段に原田は腰掛けて、意外そうに首を傾げる。
「驚かないんだな。平助なら「まじかよ⁉︎」とか「何でそんな大事な事黙ってたんだよ⁉︎」とか言いそうなのにな」
原田は藤堂を小馬鹿にして笑う。
「左之さん俺の事馬鹿にしてんのか……」
