三人が目の前に来た時、沖田に担がれた人影を見て同じように二人も言葉を失ったのは無理もない。


この一連の事件の犯人が、この華奢な体つきの小さな小僧の仕業だというのか?


想定外どころでないのは、二人もまた同じだった。


だが、沖田の言葉を聞いた土方と近藤は更に大きな衝撃を受けた。


「この子、女の子ですよ」


「冗談だろ!…まさか、あの死体を女がだと…?」


「そんなはずは……。総司、その子は今眠っているのかい?」


血は付いていないようだが、沖田が担いでいることだけでも心配してしまう。


殺してはいないだろうか……。


「心配しないでください。気絶してるだけですから」


正しくはさせた…。近藤の事だし女に手を上げたと知れば、それだけでも怒られそうだからと沖田が隠したのだ。


ひとまずは布団に寝かせることにしたが、部屋の中からは武器になりそうなものを取り払って二人以上を監視につけた。


少女の刀は一番安全と言える土方の部屋に隠す事にした。


「詳しくは明日に聞こう。三人とも、ご苦労だった」


少女の眠る部屋の前に座り込む三人に近藤はそう言い、自室へと戻って行った。