着物は白色に薄っすらと黄色が浮かんだ、やはり淡色の物だった。
下地は白色なのだが、袖や足元に向かうに連れて段々黄色が色を主張するような染め方をされている。
着物全体に金色の刺繍が施されていて、真昼間に見る星空のように綺麗だ。
散りばめられた花弁は小さくて遠目から見ると目立たないが、青と紫の混ざった色が近くで見るととても繊細に染められていて感動してしまう。
見るからに高級そうだ。
あの風呂敷もそれで貰ったのかと、納得がいくほどの上物だった。
陽にとって、それを土方が買ったのかと考えると不思議で可笑しかった。
(まさかこいつがか?)
顔をそらしている様子を見ると、不器用ながら陽のためにしてくれたことが伝わってくる。
久しぶりに自分用の着物を見て、陽は懐かしいような感覚を覚えた。
それもこんなに大人びた着物を自分が着るのかと思うと、少しだけ楽しみにもなる。
「どうだ?」
遠慮気味に尋ねた土方だったが、返事に不安は抱いていない。
適当に「ああ」とかを返してくれればそれでいい。
だが陽は俯いて黙ってしまった。
「えっ、と……?」
気になって沖田が顔を覗き込んだ時、陽は口を開いた。
「あ…あ、り」
「「……?」」
「あり、がと…な」
小さな声だったが、言葉を聞くなり土方と沖田は固まってしまった。
下地は白色なのだが、袖や足元に向かうに連れて段々黄色が色を主張するような染め方をされている。
着物全体に金色の刺繍が施されていて、真昼間に見る星空のように綺麗だ。
散りばめられた花弁は小さくて遠目から見ると目立たないが、青と紫の混ざった色が近くで見るととても繊細に染められていて感動してしまう。
見るからに高級そうだ。
あの風呂敷もそれで貰ったのかと、納得がいくほどの上物だった。
陽にとって、それを土方が買ったのかと考えると不思議で可笑しかった。
(まさかこいつがか?)
顔をそらしている様子を見ると、不器用ながら陽のためにしてくれたことが伝わってくる。
久しぶりに自分用の着物を見て、陽は懐かしいような感覚を覚えた。
それもこんなに大人びた着物を自分が着るのかと思うと、少しだけ楽しみにもなる。
「どうだ?」
遠慮気味に尋ねた土方だったが、返事に不安は抱いていない。
適当に「ああ」とかを返してくれればそれでいい。
だが陽は俯いて黙ってしまった。
「えっ、と……?」
気になって沖田が顔を覗き込んだ時、陽は口を開いた。
「あ…あ、り」
「「……?」」
「あり、がと…な」
小さな声だったが、言葉を聞くなり土方と沖田は固まってしまった。
