Please be absorbed in me




パーティー会場へと戻り、周りの人と話をしながら時間は進む。

特に何事もなくお開きの時間となり、お客様が帰っていくのを笑顔を作って見送る。


すべての人が帰って、フットマンの人々が片付けに取り掛かる横で、私は小さく息をついた。

なんとか考えないように、と色んな人と話していたら社会勉強にはなったけど疲弊してしまった。


年上の人と話すのには知識と体力がいる。

一度も浩人さんと話す機会がなかったのは幸いだった。

どこにいたのかも知らない。見ないようにしてたから。

…このままだと、浩人さんに変な態度を取ってしまいそうだな。


何か飲み物でも飲んで落ち着こう…。


そう思って、片付けをしているフットマンの1人に声をかけてみる。



「すみません、残ってる飲み物をひとつ、もらってもいいですか?」

「はい、かまいませんよ。あちらにあるものが比較的新しいので、そちらからどうぞ」

「ありがとうございます」


示されたテーブルからグラスを取り、一気に飲み干した。

その直後、グラリと視界が揺れて、急激にまぶたが重くなる。


「真琴様?…真琴様‼︎」



名前を呼ぶ声が、遠く聞こえた。