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街中の近くまで送ってくれた運転手さんとは一度解散して、私は浩人さんと街中に歩いて向かう。
駅前の道は人通りが多い。
春休みだから、いつにも増して人がたくさんいる。
そして、駅前に現れたイケメンに、駅前を歩いていた女性たちの視線は釘付けになっていた。
「さて、どこから見ましょうか」
そんな周りの女性から送られる熱い視線を気にした様子もなく、浩人さんは私に笑いかける。
(すっごく目立ってる…)
女性の視線がこんなに集まるなんて、有名人と良い勝負かもしれない。
「真琴様?」
ふいに顔を覗き込むようにされて、とっさに身を引いた。
「“様”ってつけるのやめてください」
「ですが…」
困ったような表情を浮かべる浩人さんにつられて、私も眉を寄せる。
「できるだけお願いします。人前では特に」
「かしこまりました」
「堅すぎる言葉遣いもやめてくださいね」
「…分かりました」
少し考えるようにしてから、浩人さんはそう言って優しく笑った。
和らいだ口調と、少しは執事感が薄れたことに、私は安堵のため息をつく。
「これくらいなら大丈夫ですか?」
「はい、ありがとうございます」
「気にしないでください。さて、どこから見て回りましょうか」
「あ、じゃあ…あのお店見ていいですか?」
適当なお店を指して歩き出す。
女性の視線を集めてやまない浩人さんは「もちろん」と頷いた。
顔が良くて、優しくて、振る舞いは紳士。
世の女性からこんな素敵な人に惹かれないはずがない。
女性の視線を気にしてないってことは、こういう状況に慣れてるのだろうか。
(顔が良いのも大変そう…)
私には縁のない苦労があるのだろうと考えながら、私は浩人さんの少し後ろを歩いていった。

