心臓がバクバクと音を立てている。
細められた目に、射貫かれた。
普段は優しく細められる目が、時々獲物をその視界に捕らえる獣のように細められているのに、私は慣れない。
緊張なのか、体が固まる。
捕らえられて、動けなくなる。
自分の部屋で胸を押さえて、深呼吸を繰り返す。
急に、何だったんだろう。
お兄ちゃんに見られる可能性だってあった。
なのに、なんで。
「あーもう…」
早く着替えて行かないといけないのに。
こんな顔じゃ、お兄ちゃんに何か聞かれるのは明白だ。
ぺちぺちと頬をたたいてみても効果はない。
もう、浩人さんが悪い。
いきなりあんなこと…何がしたいのか分かんない。
私の思い込みは、思い込みじゃない…?
でも、そんなのあり得ない。
違うのだとしたら、浩人さんのことが全く分からないのだけど。
とにかく、はやく行かなきゃ。
頭を振って気持ちを切り替えて、私は立ち上がった。

