「おー、浩人、交換しといた」
お兄ちゃんは私の頭から手を離し、浩人さんに電球を見せる。
「…ありがとうございます。ですが、これっきりですよ」
浩人さんは苦笑いを浮かべて、お兄ちゃんから電球を受け取った。
「堅いこと言うなよ」
「危険ですのでやめてください」
そういえば、お兄ちゃんの方がひとつ年上なんだっけ。
お兄ちゃんのくだけた話し方に、そう思い出した。
「夕食にいたしましょう」
やれやれ、と首をふって浩人さんが続ける。
「じゃあ、私着替えてきます」
そう言って鞄を背負い直すと、浩人さんが目の前に来た。
お兄ちゃんはすでに部屋に入って行ったらしく、姿はない。
不意に浩人さんの手が伸びてきて、私の頭の上に乗る。
「あの、どうかしましたか?」
見上げて問いかけると、見計らっていたかのように、顔がぐっと近づく。
そのまま唇が重なったのだけど、突然すぎて、私は目を閉じるどころか瞬きを忘れた。
唇が重ねられたまま、視線が絡む。
「…っ」
射貫くような視線に、胸を貫かれる。
離れたときには、顔が熱くて顔を上げられなかった。
「早く着替えておいで」
わざとなのか、耳元で言われる。
そして先に歩いていってしまう浩人さんの後ろ姿を見る。
何がしたかったの…。

