Please be absorbed in me




***

「お兄ちゃん帰ってくるの?」

『あぁ、明後日そっちに着く』

「夜?」

『いや…夕方4時くらいだな』



それじゃあ空港まで迎えに行くのは無理そうだ。部活がある。



「分かった。気をつけて帰ってきてね」

『あぁ、じゃあまたな』



電話が切れたのを確認して、画面を消す。


夕食を食べて自室に戻ったところで、兄からの電話。

ゴールデンウィークに帰ってくる、とのことだった。


半年ぶりくらいの帰国。

両親が海外に行って私が1人だから来てくれるらしい。


そんな心配いらないんだけどね…。

でも、久しぶりに会うから楽しみだな。




そんなことを思いながら端末を机に置いたところで、ノックの音が響く。



「はい」



返事をして、現れたのは浩人さんだ。



「失礼します、どなたかとお話し中でしたか」

「はい、兄とです。ゴールデンウィークは帰ってくるそうです」

「うれしそうだね」



急に口調が変わった。
部屋には二人だからかまわないけど…なんで。



「そんなに顔に出てますか?」

「うん。…楽しみなんだ?」

「まあ、会うの久しぶりなんで…」

「そう…」



浩人さんは妙に無表情だ。

どうしたんだろう…。



「よかったね」



私が訪ねるよりも早く、浩人さんは表情を取り戻した。


ま、いいか。


自分の中で解決して、それ以上考えるのはやめた。