「で?例の人とはどこまでいったの?」


教室でお昼を食べながら、圭ちゃんが突然の質問を投げてきた。


「どこまでって…」


なんとなく、お箸を置いて居住まいを正した。


付き合って2ヶ月くらい。

普通のカップルがどのくらいのペースで進むのかは知らないけど…


「…ハグ」

「えー、まだそこ?」


つまらない、というような表情をする圭ちゃん。


失礼な。


「遅い?」

「向こうは大人でしょ?それを考えるとねー。どうなんだろうねー」


圭ちゃんは頬杖をついて、私をじっと見る。

その顔に、私は少し不安に思っていたことを投げかけてみる。


「私が子どもだから、かな…」

「手、出したら犯罪かもねー」

「えっ」


圭ちゃんはケラケラと笑う。

笑い事じゃないんだけど。


「まぁ、それはさておき」

「いやいや、置いといたらダメだよ」

「真琴だって、もっとイチャイチャしたいでしょ?」

「…んー、まぁ…そう、なのかもしれないけど」

「じゃあ!」


バン、と机に手をついて、圭ちゃんは立ち上がる。


「真琴から仕掛ければいいんだよ!」


あ、楽しんでるな、この子。

にこにこ、楽しそうな笑顔を浮かべる圭ちゃんにそう思った。