Please be absorbed in me



***


「ただいま帰りました…」

「おかえりなさいませ、真琴様」


走ったせいで息が上がっている私を見て、浩人さんが目を開いた。


「どうなさったのですか?」


肩に手が触れて、声が近くで聞こえる。

浩人さんが匂いが微かに漂う。


その腕に縋りつきそうになって、でも踏みとどまった。


今日は、おじい様は家にいる。

玄関で抱きついたりしたら、見られるかもしれない。

というか、そもそも玄関で抱きつくなんてダメだ。良くない。



「真琴様?」

「あ…と、ちょっと走ってきて、疲れただけです」


呼吸を整えて笑ってみせる。


「なんで走ってきたんですか」


浩人さんは優しい笑顔を浮かべる。


「体力づくり…です」

「それはお疲れ様です」


おかしい、というように浩人さんは少し笑いを堪えている。


「着替えていらしてください。夕飯のご用意ができております」


後で、浩人さんの部屋に行こう。

浩人さんの言葉に頷いて、自分の部屋に向かった。