「ダメですか?」
「ダメじゃないけど…」
「…けど?」
浩人さんは顔を上げてくれない。
不安になって、肩に手を伸ばす。
「あの…」
ちょん、と触れると、浩人さんが少し顔を上げてそちらを見る。
困ったように笑う顔。
「もうちょっと警戒心をね…」
「警戒心?」
「あー…」と浩人さんは呟いて、私を肩に引き寄せた。
「…うん、俺がちゃんとする。真琴はそのままでいいよ」
「…?」
そのままって…どういうことだろう。
頼ろうとしなくてもいいってこと?
っていうか、これって“頼る”というより“甘えてる”の方が正しいんじゃ…?
私がどうでもいいようなことで悩んでいたのを待っていてくれたし、
こうやって抱きしめられてるのも、甘えさせられてるような気がする。
浩人さんの言う「頼って」は「甘えて」ってことなのかな。
恥ずかしい。
けど、私も浩人さんにくっついてたいと思う。
「くっついてたい」は「甘えたい」と同じなのかな?
(分かんないけど…いいよね?)
勝手に納得して浩人さんにもたれる。
頭を浩人さんの肩に乗せたから、浩人さんの匂いが近くなった。

