Please be absorbed in me



目の前に並べられた朝ご飯ではなく、執事だと言ったその人の動きを目で追いかける。

よく見てみれば、彼はクラスの男子なんて比べものにならないくらい整った顔をしていた。

(年上だよね…)

ティーカップを私の前に置く仕草をじっと見つめて考えてみる。


「一つ聞いてもいいですか」

「ええ、なんでもお答え致します」


私の声に、その人はにこやかに顔を上げる。


「あなたはいくつですか?」

「21歳でございます」

(…思った以上に若い)


驚きを隠すようにお皿の上のトマトにフォークを立てた。

私と4歳しか変わらないのに、ずいぶん落ち着いた雰囲気の人だ。

落ち着いてるというか、物腰柔らかでソツがない。
服装を変えれば、マンガに出てくるような王子様に見えるかもしれない。

そう思って頭の中で王子っぽい服装を想像してみて、やはりぴったりと当てはまった。

むしろ、その方が合ってる気がする。


「ミルクと砂糖はいかがされますか?」

「…ミルクだけお願いします」


こんなイケメンが執事で至れり尽くせり、なんてドキドキを通り越して申し訳ない。


(やっぱり執事はいらないって言おう)