「どうしたら大人になれるかな…」
昼休み、お箸を置いて向かい合っている圭ちゃんに呟いた。
「20歳超えたら」
すぐさま答えが返ってくる。
「本当に20歳超えたら大人なのかな…」
「大学出て働くようになったらかな。20歳はまだ学生だからね」
私が大学を出るまで短くて約6年。
長い。
「そんなに生き急がなくてもいいのに」
「生き急ぐわけじゃないけど…」
「早く大人になる必要なんてないよ」
「でも、それだと釣り合わない」
「…やっぱり、そういうことね」
圭ちゃんは頬杖をつく。
「うん…」
「そればっかりはねえ」
「どうしようもないこと…だよね」
分かっている。
時間が解決してくれることだ。
それでもどうにかしたい、と気持ちが先に行く。
時間が経つのを待ってるだけなんて出来ない。
「なんでそんなに気になるの。誰かに言われたんじゃないでしょ?」
「…言われてはないよ。でも、隣に立ってて違和感があるの」
「違和感ねぇ…」
頬杖をついたまま、圭ちゃんは呟く。
「気にしすぎですな」
ポンと机に手を置き、圭ちゃんはそうまとめた。
「そんな一言でまとめないでよ」
「気にしすぎ」
圭ちゃんは念押しするようにもう一度繰り返し、飲んでいた紙パックを片付けて席を立った。

