Please be absorbed in me



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新学期が始まり新しいクラスになったのに、あまり晴れやかな気分ではなかった。

1年の時に違うクラスだった圭ちゃんとは今年同じクラスになった。

それは嬉しい。

ただ今の私は気分が暗く、さらには顔が暗いとまで言われてしまった。

仕方ないでしょ、と全て説明するのはためらわれたので話してはいない。

でも、圭ちゃんは私の様子から察したようだった。


「まぁ、悩め若者」

「あなたも若者でしょ」


肩をポンとされながら言われたセリフに思わず入れたツッコミはスルーされた。

若者って…確かに若者だ。

だからこそ私は今ため息をこぼしている。

年齢は急激に変化しない。

こればかりは時間が解決することだと分かっている。

でも、じっとしているなんて出来ない。

少しでも早く大人になりたい。

浩人さんの隣に並んで、釣り合うような人になりたい。

私を好きだと言ってくれる浩人さんに応えたい。

早く同じ場所に立ちたい。



気持ちだけが急いている。

そんなの自覚していた。

でも、ブレーキなんてかけられない。

気持ちのコントロールはとうに失っていて、気持ちだけが急いている。

何をすればいいのかも分からないまま。



どうすれば早く大人になれるの。

勉強したら?働いたら?人の役に立ったら?

どうしたら私は浩人さんの隣に立っていていいんだろう。


ずっと巡る思考は、「焦っても仕方ない」と同じ結論に至ってまた繰り返す。

何度目かの同じ結論に、自分でも呆れて机の上で頭を抱えた。