(自信がないのに、言ってもいいのかな…)
でも、浩人さんはもう私の気持ちに気づいていて、それなら言っても言わなくても変わらない。
私が訳も分からない意地を張って、頑なに口を閉じる意味なんてどこにもないのかもしれない。
「…好き、です」
「…うん、知ってる」
見つめた先で、浩人さんがふっと表情を緩めた。
「な……んですか、それ」
「だって、表情で分かるから」
やさしく響く声に、いたたまれなくなる。
一体、私は今どんな顔をしているのだろう。
そう思ったら顔を見られるのが恥ずかしくて、顔を背けながら浩人さんの胸を押した。
「離してください…」
「なんで?」
「なんでって…」
「付き合ってるから、問題ないよ?」
「付き合ってる…?」
首をかしげて笑った浩人さんに、私は同じように首をひねった。
「両思いでしょ?」
「…でも、付き合うわけじゃないです」
浩人さんは無言で瞬きを繰り返した。
「それは自信がないから?」
離れようとまだ腕を突っぱねる私を容易く腕に捕らえながら、浩人さんはそう尋ねる。
頷いただけで答えると、背中にあった浩人さんの腕が肩の上に移った。
「そんなこと考える必要ないよ」
真正面から顔を覗き込まれる。
近い距離に、思わずあごを引いた。
「でも…」
「じゃあ、俺の隣にいて当然って思えるぐらい、たくさん好きって言うよ」
「……え?」
「俺には真琴がいないとダメって、分かってもらえるまで」
「え?」
目の前の人が、楽しそうに笑う。
(なんか、やばいスイッチを押してしまったかもしれない…?)

