Please be absorbed in me



ーside 真琴ー


「そんなの、どうでもいいよ」


(どうでもいいって…よくない)


目の前の人は、私の悩みの大前提を『どうでもいい』と言う。

私が悩んでること自体、どうでもいいの?

自分の体を包み込む腕から逃げたくて、その胸を押し返す。


「…どうでもよくないです」


浩人さんに離す気がないからなのか、突っ張っただけに終わって目の前の人を睨んだ。


「どうでもいい。俺が真琴を好きなのは変わらないよ」

「違うんです」

「違う…?」


戸惑ったような声に、ゆっくりと頷く。


「どういう意味?」


聞かれて、言葉に詰まった。
自分の気持ちを言うつもりがないなら、答える必要もない。

違う、と否定したのは早まったかもしれない。


でも、私が奥底にしまい込もうとした理由は本人にどうでもいいと言われてしまった。


どうすればいいんだろう。

何を言えばいい?

頭の中で考えがぐるぐると回る。
でも、でも、と自分の中で考えが交錯する。



「好いてくれるのは…関係ないです」


混乱した頭では言いたいことも分からないまま、何か言わなきゃと言葉を紡ぐ。


浩人さんは真っ直ぐに私を見て、言葉の先を待っていた。