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「で、そのまま気まずいの?」
「うん…」
次の日、部活が終わってから圭ちゃんとファミレスに入り、自分の中で押し留めていたものを口に出した。
「真琴も好きなんでしょ?」
その質問で、圭ちゃん言いたいことは分かった。
私が自分の想いを伝えれば、確かに一瞬で解決する話だ。
「…でも、私じゃ釣り合わない」
「それは真琴が気にしてるだけだって」
「圭ちゃんも会ってみたら分かるよ」
「向こうが好きって言ってくれてるなら、そこは気にしなくていいの」
そう言い切った圭ちゃんに、私は表情を暗くした。
気にしない、なんて無理だ。
隣に並ぶならどうしても意識してしまう。
「難しく考えなくていいんじゃない?」
私が難しい顔でもしていたのか、圭ちゃんは頬杖をついて言った。
「でも…自信がほしいの」
「自信?」
「あの人の隣に並び立てる自信。今の私には到底ないけど…」
「どうやったら自信つくの?」
「……わかんない」
圭ちゃんは盛大にため息をつく。
「自信なんてさ、後からついてくるものだって」
「うん…」
「とにかく真琴はその人に抱きついて『好きです!』って言えばいいの。わかった?」
「え、でも…」
「わかった?」
「……」
小さく頷くと、「よし」と圭ちゃんは満足そうに頷いた。
(それができたら苦労はしないけど…)
頷いたものの、やはり伝えるのはためらう。
そんな簡単に言えるなら、こんな相談はしていない。
小さく息をついて、少し目を伏せた。

