Please be absorbed in me



***

「真琴、お疲れー」


部活終わり、着替えてる途中で友達の圭ちゃんが私の肩に手を乗せて挨拶をする。


「お疲れ」

「なんかあったの?」

「…え?」


突然の質問の意味が分からなくて、私は圭ちゃんの顔を見つめた。


「今日、やけに声に迫力があったから」

「え、うるさかった?」

「いや。ただ気迫があるなって思ってさ。迫力があるのはいいことだけど…」


なにかあった、では説明できるものじゃないと思う。

あった。ありすぎてキャパオーバー。

とにかく何も考えたくなくて部活に集中したのだけど、友達からしたら変だったのかもしれない。


「『東堂はやる気があるなぁ!』って先生は喜んでたよ」

「うん、まぁ、いろいろと…ね」

「ふーん、まあ、言いたくないなら無理には聞かないよ」


また肩をポン、として圭ちゃんはあっけらかんとした様子で言った。


「…ありがとう」

「他の部員も思ってると思うけどね」

「何かあったのか、って?」

「そう。先生だけ嬉しそうだったよ」

「いつも『剣道は声だ』って言ってるもんね…」


そうそう、と圭ちゃんは苦笑いを浮かべる。


「ほんとあいつ面倒くさいわ」

「圭ちゃん、それ失言…」


圭ちゃんは気にした様子もなく肩をすくめた。