Please be absorbed in me



***

結局、浩人さんの真意は聞かないまま、散歩を終えて家の中へと戻った。



「そういえば、昨日のドレスが届いていますよ」



私の部屋まで戻ってきて、ドアを閉めた浩人さんが思い出したようにそう言った。


「…え、もう?」


昨日、高級店で決めさせられたパーティードレスは家まで配達してくれることになっていた。

予想していたよりも早い到着には驚かされるけれど、届いたところで着るつもりはない。


「お召しになられますか?」

「遠慮します」

「そうおっしゃらずに」


にこ、と笑顔を浮かべる浩人さんに私は苦笑いを返した。


「遠慮します…」

「私が見たいのです」

「…昨日、着ました」

「いけませんか?」

(なんで、そんなに食い下がるの…)


私は悪くないはずなのに胸が痛むから、イケメンがそんな残念そうな顔をしないでほしい。