Please be absorbed in me

I may fall in love with you

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「やぁ、おはよう。真琴」

「おはようございます、おじい様。お話があるのですがよろしいですか!」

「真琴様、まずはお座りください」


翌日、朝食の席。

浩人さんのことをおじい様に直接交渉だ!と意気込んで来てみれば、おじい様はのんびりとした声で笑顔を見せ、浩人さんは冷静に私を誘導した。


「いかがされましたか?」


紅茶を注いだカップを机に置く、その一連の流れを見ていた私と視線を交えて、浩人さんは笑う。


(ダメだ。つい目で追ってる…)

「なんでもないです」


目線をそらして、そう呟いた。


「それで、話とはなんだい?」


のんびりとした声に、そうだった、と私はおじい様に向けて顔を上げる。



「昨日は洋服ありがとうございます」

「いいんだよ。かわいい孫のためだ」

「それで、執事さんのことなんですけど…」

「ああ、どうだい?浩人は」

「…浩人さんは、いい人ですけど、私に執事は必要ありません」

「だが、私と井筒は家を空けることが多い」


おじい様は腕組みをしながら言った。

おじい様に同意の視線を向けられて、おじい様付きの執事の井筒さんも私を見て困ったように笑う。


「孫を1人にするのは心配だよ」


確かにおじい様は会議や打ち合わせで外に出ていることが多く、海外に行っていて1週間ほどこの家を空けることだってある。


でも、広い屋敷に1人じゃない。この家には料理人やハウスメイドが雇われている。

昔馴染みの気兼ねなく話せる人は何人もいる。

だから、自分付きの執事まではいる必要はない。

私はある秘策を実行に移そうと、席を立っておじい様の元へ向かった。