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軽く食事を済ませて、さすがに食べるときは手を繋いではいられないので一度離れた手がまた繋がれた時、思わずため息をつきそうになった。
(ナチュラルにこういうこと出来る人なんだろうな…)
もはや子供扱いなのかもしれない。
はぐれると危ないから握っとく、みたいな。
でも、だからといって恋人繋ぎにする必要性は分からない。
浩人さんの少し後ろを歩き、繋がれた手にそっと視線を落とす。
「真琴様、どこか見たいところはありますか?」
「えっ、見たいところ、ですか…特には、ない、です」
急に振り向いたことに驚いた私のその様子に、浩人さんも驚いた様子で瞬きを繰り返した。
「どうかなさいましたか?」
「いえ、なんでもありません…」
きれいな手だなと思ってました、なんて言えない。
苦笑いでごまかすと、浩人さんは足を止めて私の顔を覗き込むようにした。
「では真琴様、ひとつだけ私に付き合っていただけますか?」
「はい、いいですよ」
きれいな人差し指を眺めて、私は首をひねりながらも頷いた。

